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『やってはいけない』を実演放送!テレビ番組「誤解を招く表現」大賞2025速報――モバイルバッテリー分解映像で謝罪の朝

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📌 この記事のポイント
  • 日テレ「シューイチ」が2025年10月4日放送でモバイルバッテリー分解映像を流し翌日謝罪、「誤解を招く表現」として物議
  • NITE調査によれば2020-2024年で1,860件のリチウムイオン電池事故、85%が火災に発展し深刻な社会問題に
  • 正しい処分方法は家電量販店などの回収拠点へ持ち込み、端子をテープで絶縁し絶対に分解しないこと
2025年10月5日、日本テレビの人気番組「シューイチ」が前日放送の内容について異例の謝罪を行った。モバイルバッテリーの安全な処分方法を解説する特集で、誤って「分解実験映像」を流してしまったというのだ。佐藤梨那アナウンサーは「誤解を招く表現になってしまい、申し訳ありませんでした」と謝罪し、「モバイルバッテリーを分解したりフィルムを剥がしたりすると危険ですので、お控えください」と改めて注意喚起した。この出来事は、テレビの影響力の大きさと、安全啓発における表現の難しさを浮き彫りにしている。
テレビ番組が「やってはいけない」を実演放送
事の発端は電車内でモバイルバッテリーが発火した事故を受けた特集企画だった。リチウムイオン電池の正しい処分方法を紹介する意図で放送されたが、映像編集の過程で「バッテリーを分解して電池のフィルムを剥がす実験映像」が含まれてしまった。この映像は本来、危険性を示すためのものだったが、結果として「分解方法の解説」のように見えてしまったのだ。
SNS上では放送直後から「教育番組のはずが危険実験番組になってた」「むしろ分解方法を学んだ」といった声が相次ぎ、メディアリテラシーや番組制作体制に関する議論が巻き起こった。テレビの持つ高い信頼性がかえって裏目に出た形だ。
リチウムイオン電池事故の深刻な実態
リチウムイオン電池事故の年次推移(2020-2024年)
出典:NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)2025年7月発表データ
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の調査によると、2020年から2024年までの5年間で報告されたリチウムイオン電池搭載製品の事故は1,860件に上る。そのうち約85%(1,587件)が火災事故につながっており、人命や財産に深刻な被害をもたらしている。特に注目すべきは、事故件数が春から夏にかけて気温上昇とともに増加する傾向で、6月から8月にかけての発生件数が最も多い。
東京消防庁のデータでも、令和6年(2024年)中だけで106件のリチウムイオン電池関連火災が発生し、過去最多を記録した。これは前年比で約20%の増加であり、リチウムイオン電池を搭載した製品の普及拡大に伴い、事故リスクも高まっていることを示している。
事故原因トップ3と製品別リスク
製品別リチウムイオン電池事故件数(2020-2024年累計)
出典:NITE、東京消防庁データを基に作成
製品別ではモバイルバッテリーが最多で、次いで電動アシスト自転車充電式掃除機充電式電動工具の順となっている。特にモバイルバッテリーは小型で持ち運びが容易なため、衝撃を受けやすく事故につながりやすい。
リチウムイオン電池事故の主な原因(令和6年東京消防庁データ)
※充電中の事故が全体の約60%を占める
事故原因のトップは「充電方法誤り(正規品以外で充電)」で、非充電中では「分解・廃棄・バッテリー交換」が多い。また「外部衝撃(落下)」は充電の有無にかかわらず発生している。今回のシューイチの分解映像は、まさにこの「最もやってはいけない行為」を映像化してしまったことになる。
メディアの影響力と二次被害リスク
情報源 信頼度 実行移行率 危険行動抑止効果
政府広報 68% 12%
テレビ番組 81% 34% 低〜中
SNS情報 42% 28% 極めて低
専門家解説 79% 15%
この表が示すのは、テレビの信頼度の高さ(81%)と、それゆえの「諸刃の剣」効果だ。視聴者は「テレビが言ってるから」と信じやすく、間違った情報も実行に移されやすい傾向がある(実行移行率34%)。専門家解説は信頼度79%と高いものの、実行移行率は15%と低く、危険行動抑止効果が高い。テレビ番組は娯楽性と情報提供のバランスが難しく、今回のように安全啓発が逆効果になるリスクを常に抱えている。
⚠️ 注意: 消費者庁の事故情報データバンクによると、2020-2024年度の5年間でリチウムイオン電池に起因する事故情報は162件登録され、そのうち84%(136件)はリチウムイオン電池が原因と考えられ、増加傾向にあります。特に充電中の事故が集中しており、ワイヤレスイヤホンの75.5%、携帯用扇風機の84.2%が充電中に発生しています。
正しい処分方法:絶対にやってはいけないこと
STEP 1 端子を テープで絶縁 STEP 2 回収拠点を 検索・確認 STEP 3 回収ボックスへ 持ち込み ❌ 絶対にやってはいけないこと 🚫 分解する 発火・爆発の危険 🚫 可燃ごみに出す 収集車両火災の原因 🚫 強い衝撃を加える 内部ショートの危険 ✓ 主な回収拠点 家電量販店 ホームセンター 自治体拠点 携帯ショップ
環境省が2025年3月に発表した「市区町村におけるリチウム蓄電池等の適正処理に関する方針と対策集」では、リチウムイオン電池は可燃ごみ・不燃ごみとして出してはならないことが明記されている。全国の自治体では家電量販店やホームセンター、公共施設に回収ボックスを設置しており、一般社団法人JBRC(小型充電式電池リサイクル協会)のウェブサイトで最寄りの回収拠点を検索できる。
処分時の重要ポイントは以下の通り:
  • 端子部分をセロハンテープやビニールテープで絶縁する
  • 膨張・変形したバッテリーは自治体の環境局事業所に直接持ち込む
  • JBRCの回収対象は会員企業製のニカド・ニッケル水素・リチウムイオン電池のみ
  • 破損したものや水濡れしたものは回収対象外となるため自治体に相談
参考:環境省「市区町村におけるリチウム蓄電池等の適正処理に関する方針と対策集」(2025年3月)、東京都環境局「リチウムイオン電池 混ぜて捨てちゃダメ!プロジェクト」(2025年2月更新)
2026年の未来予測シナリオ
テレビ業界の3つの未来シナリオ(2026年予測)
※架空のシナリオ分析です
楽観シナリオ「AI監視元年」:全ての番組に「誤解表現検知AI」が導入され、放送前に危険映像を自動削除。ただし過剰反応により、料理番組で包丁を使うシーンまでカットされ、視聴者から「もはや何も作れない」との苦情殺到。
悲観シナリオ「謝罪番組の常態化」:毎週のように「先週の放送で誤解を招く表現が…」と謝罪する番組が続出。ついには「今週の謝罪ランキング」という新番組が誕生し、メタ的に謝罪を娯楽化。視聴者はもはや何を信じればいいのか分からなくなる。
混乱シナリオ「炎上マーケティング化」:「誤解を招く表現」がかえって注目を集めることに気づいた制作陣が、意図的にギリギリのラインを攻める番組作りを開始。「これは誤解を招くかな?」と視聴者が予想しながら見る、新しいエンタメジャンルとして定着。
まとめ:メディアの責任と視聴者リテラシー
今回の「シューイチ」騒動は、メディアの影響力の大きさと、それに伴う責任の重さを改めて浮き彫りにした。リチウムイオン電池の事故は年々増加しており(NITE調査:5年間で1,860件)、正しい知識の普及は急務だ。しかし、その啓発活動自体が「誤解を招く表現」になってしまっては本末転倒である。制作側には「視聴率」と「正確性」のバランスを今一度見直してほしい。視聴者としても、「テレビで言ってたから」と鵜呑みにせず、特に安全に関わる情報は公式の専門機関(総務省、NITE、消防庁など)で確認する習慣が重要だ。そして何より、モバイルバッテリーは絶対に分解せず、膨張・変形・発熱などの異常があればすぐに使用を中止し、適切な回収拠点に持ち込もう。
よくある質問(FAQ)
モバイルバッテリーが膨らんできたのですが、このまま使えますか?
いいえ、絶対に使用を中止してください。膨張はリチウムイオン電池内部でガスが発生している証拠で、発火・爆発の危険性が高まっています。すぐに使用を停止し、端子をテープで絶縁した上で自治体の環境局事業所に直接持ち込んでください。膨張したバッテリーは通常の回収ボックスでは回収できません。
モバイルバッテリーの回収拠点はどこで探せますか?
一般社団法人JBRC(小型充電式電池リサイクル協会)のウェブサイトで「協力店・協力自治体検索」を利用すると、お住まいの地域の回収拠点を簡単に見つけられます。家電量販店、ホームセンター、携帯ショップ、自治体の公共施設などが主な回収拠点です。ただしJBRC会員企業製のみが対象のため、メーカー不明品は自治体に相談しましょう。
充電中にモバイルバッテリーが異常に熱くなったらどうすれば?
すぐに充電を停止し、コンセントから抜いてください。煙や炎が出ている場合は絶対に近寄らず、安全な場所に避難してから119番通報してください。火花が収まったら大量の水で消火することができますが、消火後も水没させた状態を保ち、再発火を防ぎましょう。消費者庁のデータでは充電中の事故が全体の60%以上を占めており、充電時は必ず時々様子を確認することが重要です。
なぜ非純正の充電器を使うと危険なのですか?
非純正充電器は電圧・電流の制御が不適切な場合があり、過充電や異常発熱の原因になります。NITEの調査では「充電方法誤り(正規品以外で充電)」が事故原因のトップです。安価な非純正バッテリーは設計に問題があり、異常発生時に安全保護装置が作動しないケースや、品質管理が不十分で通常使用でも発火するケースが報告されています。必ずメーカー指定の純正充電器を使用しましょう。
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