この記事の3つのポイント
- 26年連れ添った自公連立に突如訪れた離婚危機――高市新総裁誕生で公明党が緊急役員会を開催し「連立離脱も辞さない」と宣言
- 公明党の比例得票数は過去最低の596万票に落ち込み、ピーク時(898万票)から3割以上減少という深刻な党勢衰退
- 靖国参拝・外国人政策・改憲という「3大地雷」を抱える高市氏と、創価学会支持者の懸念が爆発寸前の状況
1999年10月に結ばれた自公連立という政界屈指の「おしどり夫婦」が、いま26年目にして最大の危機を迎えている。2025年10月4日、自民党総裁に選出された高市早苗氏に対し、公明党が異例の「懸念表明」を実施。10月7日には緊急役員会を開催し、「連立離脱も辞さない」という強硬姿勢を示した。創価学会内では「もう限界」の声が噴出し、政界最長カップルの離婚劇が現実味を帯びてきた。
「26年婚」自公連立に突如訪れた離婚危機
1999年10月5日、小渕恵三首相の下で産声を上げた自公連立政権。当初は「水と油」「政略結婚」と揶揄されたこの政治的婚姻関係だが、民主党政権時代の3年3カ月を除き、実に26年もの長きにわたって続いてきた。しかし、2025年10月4日に自民党総裁に選出された高市早苗氏の登場で、この長期安定政権に突如として亀裂が走った。
📊 自公連立の歴史タイムライン(1999-2025年)
公明党の斉藤鉄夫代表は高市氏との会談後、記者団に対し「支持者から大きな不安や懸念がある。その解消なくして連立はない」と異例の強硬発言。さらに公明党幹部が立憲民主党幹部に「連立離脱も辞さない」と伝えていたことが判明し、政界に衝撃が走った。26年間連れ添った夫婦が、突然離婚届を取り出したようなものである。
公明党の得票数グラフが描く「下り坂人生」
公明党が連立離脱をチラつかせる背景には、自身の党勢衰退という深刻な現実がある。2024年の衆院選比例得票数は596万票と過去最低を記録。ピーク時の2005年(898万票)と比較すると、実に302万票、率にして33.6%もの減少である。
📉 公明党比例得票数の推移(2005-2024年)
| 選挙年 | 比例得票数 | 前回比 | 獲得議席 | 議席増減 |
|---|---|---|---|---|
| 2005年 | 898万票 | – | 31議席 | – |
| 2012年 | 711万票 | -187万票 | 31議席 | ±0 |
| 2017年 | 697万票 | -14万票 | 29議席 | -2 |
| 2021年 | 711万票 | +14万票 | 32議席 | +3 |
| 2024年 | 596万票 | -115万票 | 24議席 | -8 |
この得票減少は、自民党の政治資金問題に巻き込まれた「もらい事故」とも報じられた。しかし、より深刻なのは創価学会員の高齢化と会員数減少という構造的問題である。26年間「自民党の下駄の雪」として耐えてきた公明党だが、その雪も溶けかけているのだ。
高市総裁vs公明党「相性最悪度」徹底比較
では、なぜ高市氏の総裁就任が公明党にとってそれほど問題なのか? ズバリ、政策・イデオロギー・政治スタンスのすべてが真逆だからである。以下の比較表を見れば一目瞭然だ。
| イシュー | 高市早苗氏 | 公明党 | 相性度 |
|---|---|---|---|
| 靖国神社参拝 | 毎年終戦記念日に参拝 | 外交問題化を懸念、反対 | ★☆☆☆☆ |
| 憲法改正 | 積極推進(安倍政治継承) | 慎重姿勢(加憲論) | ★★☆☆☆ |
| 外国人政策 | 厳格化志向 | 多文化共生重視 | ★☆☆☆☆ |
| 集団的自衛権 | フルスペック行使容認 | 限定的容認に制限 | ★★☆☆☆ |
| 連立拡大 | 維新との連携志向 | 維新の副首都構想に反対 | ★☆☆☆☆ |
図:高市総裁と公明党の政策相性は「最悪ゾーン」に位置
特に靖国参拝問題は公明党にとって譲れない一線である。創価学会は平和主義を掲げる宗教団体であり、A級戦犯が合祀された靖国神社への首相参拝は、支持者の信念と真正面から衝突する。高市氏が首相就任後も参拝を続ければ、創価学会員の大量離反は避けられないだろう。
緊急役員会で飛び交う「離婚届」の文字
10月7日、公明党は国会内で緊急常任役員会を開催。自民党との連立継続の是非を含めた対応を協議した。会議室には重苦しい空気が漂い、ある幹部は「これまで26年間、歯を食いしばって我慢してきた。しかし高市氏の下では無理だ」と吐露したという。
📊 公明党内「連立離脱論」支持率(推定)
興味深いのは、公明党幹部が立憲民主党幹部に対して「連立離脱も辞さない」と伝えていた点である。これは野党との連携可能性を探る動きとも解釈できる。26年間自民党一筋だった公明党が、ついに「浮気」を考え始めたということだ。
創価学会員の本音「もう我慢の限界です」
創価学会内部では、高市総裁誕生に対する懸念の声が日増しに強まっている。ある学会幹部は「石破首相のときは『なんとかやっていける』と思っていた。しかし高市氏では話が違う」と語る。
図:創価学会員が最も懸念するのは靖国参拝問題
特に高齢の学会員からは「戦争を知る世代として、靖国参拝を容認する首相は支持できない」という声が相次いでいる。公明党議員の後援会でも「次の選挙で自民党候補の応援はしない」という声が出始めており、自公選挙協力の根幹が揺らぎつつある。
自公連立崩壊シミュレーション
もし公明党が連立を離脱したら、日本の政治はどう変わるのか? 3つのシナリオを検討してみよう。
シナリオ1:自民単独少数政権
自民党が単独で政権運営を続けるケース。しかし衆参両院で過半数を失っているため、法案成立には野党の協力が不可欠となる。高市首相は法案ごとに野党と個別交渉を強いられ、政権運営は極めて不安定に。
シナリオ2:自民・維新・国民連立
自民党が日本維新の会や国民民主党との連立を模索するケース。しかし維新の「副首都構想」や国民民主党の独自路線が障壁となり、交渉は難航する可能性が高い。仮に成立しても、イデオロギーの違いからすぐに瓦解するリスクがある。
シナリオ3:大連立または政界再編
最も劇的なシナリオは、立憲民主党を含む大連立、または政界再編である。公明党が野党側に回り、立憲・国民・公明による新連立政権が誕生する可能性もゼロではない。26年ぶりの政権交代が現実のものとなるかもしれない。
📊 連立崩壊シナリオ別の実現可能性
まとめ:政界最長カップルの黄昏
1999年から26年間続いた自公連立という「政略結婚」が、いま最大の危機を迎えている。高市新総裁の保守的政策は公明党・創価学会の価値観と真正面から衝突し、「連立離脱も辞さない」という強硬姿勢を引き出した。公明党の得票数は過去最低を記録し、党勢衰退という構造的問題も抱える。10月7日の緊急役員会は、26年間連れ添った夫婦が離婚届を前に最後の話し合いをする場となった。果たして政界最長カップルは修復不可能な亀裂を乗り越えられるのか、それとも歴史的離婚劇へと突き進むのか。日本政治の行方は、この「夫婦喧嘩」の結末にかかっている。
よくある質問(FAQ)
自公連立はいつから始まったのですか?
自公連立は1999年10月5日、小渕恵三首相の下で始まりました。当初は自由党も加わった「自自公連立」でしたが、その後自民・公明の2党体制となり、民主党政権時代(2009-2012年)を除いて26年間続いています。
公明党が連立離脱を検討している理由は何ですか?
主な理由は3つあります。第一に、高市新総裁の靖国参拝や保守的政策が創価学会の平和主義と相いれないこと。第二に、自民党の政治資金問題に巻き込まれ党勢が衰退していること(比例得票が過去最低の596万票)。第三に、創価学会支持者からの強い懸念と離反リスクです。
公明党が連立を離脱したら何が起きますか?
自民党は衆参両院で過半数を失うため、法案成立が極めて困難になります。高市首相は野党との個別交渉を強いられ、政権運営は不安定化します。最悪の場合、政界再編や政権交代につながる可能性もあります。
過去に公明党が連立を離脱したことはありますか?
2009年の衆院選で自公が大敗し、民主党政権が誕生した際、公明党は野党となりました(2009-2012年の3年3カ月間)。しかしこれは選挙結果による下野であり、自らの意思で連立を離脱したケースではありません。今回のように「連立離脱も辞さない」と自ら表明したのは極めて異例です。

